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映画【マンダウン】ネタバレ感想・考察|衝撃のラストに涙が止まらない

途中からガッツリネタバレします.まだ見てない方はアマゾンプライムに無料で登録して見ちゃってください!

 

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「マンダウン」よくある戦争映画だと思ってましたが,全然そんなことはありませんでした.

衝撃のラスト7分46秒とうたわれているように,見る前にネタバレを読むのは絶対にダメなタイプの映画です.

本記事では,すでに見た方のために分かりにくかった内容を整理して,考察します.(東大生の本領発揮!)

 

「マンダウン 戦士の約束」作品情報

www.youtube.com

  • 製作国:アメリカ
  • 公開年:2017年
  • 上映時間:91分
  • 監督:ディート・モンテュエル

あらすじ

米軍の海兵隊員ガブリエル・ドラマー(シャイア・ラブーフ)は、妻ナタリー(ケイト・マーラ)と息子ジョナサン(チャーリー・ショットウェル)を故郷に残し、アフガニスタンへと向かう。

戦場での任務は想像以上に過酷なものであったが、故郷で待つ妻と息子の存在がガブリエルを奮い立たせた。そしてついに、アフガニスタンからアメリカへと帰還する。

しかし、辿り着いた故郷の街は、建物や橋が崩壊し住人たちの姿も消えていた。まるで異世界に迷い込んだかのように、懐かしき面影は失われていた。

この街に一体何が起こったのか?ガブリエルは、共に帰還したデビン(ジェイ・コートニー)と、荒廃した街でナタリーとジョナサンの行方を探すが―。(HPより引用)

 予告編とかあらすじを見ると,荒廃した世界がメインの映画かなと思うのですが,そんなことはありませんでした.

  • 戦争の残酷さ
  • 家族への思い
  • 戦争の裏にあるアメリカ社会の闇

が描かれた社会派ヒューマンドラマです.

実力派キャスト

そこまでキャストの情報求めてないと思うので,サラッと紹介しますね.

シャイア・ラブーフ

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引用元:公式HP

彼の出演作品で面白いのは
・トランスフォーマ
・フューリー
とかです.

ケイト・マーラ

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引用元:公式HP

・ファンタスティックフォー
・トランセンデンス
等にも出演していますね.

ジェイ・コートニー

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引用元:公式HP

・ダイハード/ラストデイ
・ターミネーター:新起動/ジェネシス
などにも出演.

マンダウンのキャストは総じて,他の映画でも活躍している実力派です.

マン・ダウンの内容考察

バラバラの時系列

本作では以下の4つが時系列バラバラに展開されます.

  • 主人公ガブリエルが戦地に行く前の世界
  • 戦地での出来事
  • 戦地から帰国する前の大尉との面談
  • 戦地から帰ってきた後の荒廃した世界


正直めっちゃ分かりにくい.前半は何が何だかって感じ.ラストにどんでん返しがある映画ほど,前半は退屈になりがちかもしれません.

分かりにくい前半も我慢してみていれば,最後にはちゃんと納得できるので,とにかくラストまで見ることをオススメします

まだ見てない人は今すぐ見てください!

内容ざっくりまとめ(ネタバレ)

帰国後の荒廃した世界の話

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引用元:公式HP

人っ子一人いない世界でガブリエルはデビンと共に,妻と息子を探していた.そんな中ある男に出会う.彼は息子の居場所を知っていそうだ.

何日か彼と行動を共にしていると,遠くの建物に息子のジョナサンが囚われているのを発見する.ガブリエルは彼を救出するため,建物への潜入を試みるが...

ここで話は戦地でのシーンに.

戦地での話

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引用元:公式twitter

ガブリエルは親友のデビンと共に軍隊に入隊.厳しい訓練に耐え,ついにアフガニスタンへ派遣される.

あるとき,民兵に急襲されてしまう.何とか応戦して,民兵が潜む建物へ入る.敵は殲滅されたと思われたが,隠れていた残党にデビンは撃ち殺されてしまう

ガブリエルは残党を仕留めたが,何と彼らは女と子供(たぶん親子)だったのだ.

さらに,デビンの身辺整理をしていたガブリエルはデビンが自分の妻ナタリーと浮気していたことを知ってしまう.

(直接浮気したとは言われていないが

  • デビンが死に際に「ごめん」と謝ったこと
  • ナタリーがデビンとのチャットで「あれは間違いだった」と言っていたこと
  • ジョナサンの誕生日パーティーの席でデビンとナタリーが意味深な態度を取っていたこと

から,浮気があったことが推察される)

荒廃した世界の謎

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引用元:公式HP

もう見た人は分かっていると思うが,荒廃した世界は全て,ガブリエルの妄想だったのだ.ガブリエルは

  • 親友の死
  • 戦地で民間の親子を殺してしまったこと
  • 親友と妻の浮気

から,重度の精神病を患ってしまっていた.

息子が囚われているとガブリエルが思い込んでいる建物は自宅だったのだ.そうとは知らずに,ガブリエルは自宅を襲撃する.

妻のナタリーは異変に気づくと,警察を呼び,ガブリエルに歩み寄っていく.「妻はどこだ!」と銃をナタリーに突きつけるガブリエル.

すんでのところで,我に返り,彼は泣き崩れて謝った.しかし,駆け付けた警察に撃たれてしまう.

意識を失いそうになりながら,彼は息子のジョナサンに「マン・ダウン(愛してる)」という言葉を残した.どんなに妄想の世界に取りつかれても,愛する家族を守りたいという気持ちは変わらないのだ

荒廃した世界に出てくる浮浪者は何者か

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引用元:公式HP

荒廃した世界でガブリエル達が見つけた浮浪者.彼は何者なのか.

答えは「何者でもない」.現実に存在する人間ではなく,ガブリエルが妄想の中で作り上げた人物だと考えられる.

彼はガブリエルが息子に書いたはずの手紙を持っていた.実際は,ガブリエルが手紙をずっと持っていたのだろう.

なんにせよ,この浮浪者がきっかけで,ガブリエルは妄想世界の中で息子を見つけることができた.彼にとっては重要な人物だったはずだ.

ネタバレ感想

前半はやや退屈

話の構成上仕方ないことですが,時系列がバラバラで分かりにくく,単調なスピードで話が展開されるので,退屈に感じてしまいました

カバー写真から,
・荒廃した世界のデイストピア的映画
・戦闘シーンが多めの戦争映画
を想像してしまうと,「思ってたのと違う!」となります.

まあ,でもこれはこれで面白い映画でした.一部話が単調になってもメッセージ性のある映画を作る監督の勇気はすごいなと思います.

家族愛に感動

この映画のキモはこれに尽きると思います.どんなに,妄想がひどくなり,現実との区別がつかなくなっても,主人公ガブリエルは一貫した思いを持っています.

それは「息子を愛する気持ち」です.

全ての謎が解けたとき,息子を守るために必死に行動する(端から見れば,戦争で頭がおかしくなった)ガブリエルを見て,胸が詰まるような思いが込み上げ,涙があふれ出てきました.ほんまに切ない...

ちなみに「マンダウン(man down)」は軍事用語で,味方がやられた時に使う言葉です.それをガブリエルは「愛している」という意味で,いじめられっ子の息子との合言葉にしていました.

ラストシーンで,彼が撃たれたときに言った言葉には,そういう背景があったのです.

退役軍人の苦しみ

日本ではあまり知られていませんが,アメリカの帰還兵の扱いはひどいものです.この映画のエンドロールではこんなことが紹介されていました.

アメリカの帰還兵の現状
  • 5人に1人がPTSD(心的外傷後ストレス障害)
  • 20万人がホームレス
  • 1日に約22人の人間が自殺を図る

 アメリカの帰還兵を扱った映画は多数あり,PTSDに苦しんでいる人がいることは知っていましたが,数字としてここまではっきり示されると,胸が締め付けられる思いがします.

彼らは国を守るため,愛する人を守るために文字通り,命を懸けて尽くしてきたのに,その結果がこれかと.

仕事を得られず,ホームレスになってしまうのは,この映画のような精神的な病だけでなく,腕や足を失うなど身体的な障害を負ってしまうことも原因です.

トランプ大統領も「この状況は改善する必要がある」と言っているくらい.

似たような話が戦後の日本にも

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参考:Wikipedia

似たような話は戦後の日本にもあったのです.戦時下の傷は名誉の負傷とされ,社会的な優遇を受けることもありました.

しかし,戦後は恩給が売り切りとなり,精神的,身体的傷を負った元軍人は困窮していきます.

さらに,辛いのは命を懸けて守った日本人からも「人殺し」などと罵られることもあったことです.

時代と国は違えど,退役軍人の問題は闇が深いようです.

総合評価:75点

普通に良い映画でした.この映画によってアメリカの退役軍人の問題を世界に広めることができたはずです.

物語としても,前半,話の流れがつかみにくい部分もありますが,「衝撃のラスト」という宣伝文句の通り,後半は謎が解けていく面白さがありました.

  • 家族愛
  • アメリカの退役軍人の社会問題

をテーマにした,感情を揺さぶってくる映画でした.